パニック障害・不安障害を克服するには心療内科に通院して内服治療と認知行動療法の2本柱が必要となります。
私の体験から、認知行動療法を行うことで早期にパニック障害や不安障害での広場恐怖症・予期不安・回避行動を改善できることができました。
しかし、パニック発作、広場恐怖症、予期不安、回避行動を患っている場合かなりハードルが高い療法ですので、自分のペースで小さな目標から行えそうなことを取り組んでいくと良いかと思います。
そして周りでパニック障害・不安障害で悩んでいる周りの方も長い目で見守って頂けたらと思います。
今回は、私が自然と取り組んできた認知行動療法の体験談をお話しさせていただきます。
簡単に自己紹介
今間でのblogでもお話しさせてもらいましたが、多大なるストレスが重なり人生初めての過呼吸の症状から始まりました。
1週間続いた過呼吸を「気のせい」と思い込み、ある日突、呼吸困難になるほどの過呼吸が出現して全身が痺れてしまい、その過呼吸が「治まった」と思ったら、もう生活ができない症状に見舞われてしまいました。
- 過呼吸・手足・脳のしびれ
- 頚部圧迫感・呼吸困難・胸痛
- 光・音・外の天気悪化が全て刺激となりパニック発作が出る日々
- いきなり泣き始める
- 離人感
- 自己コントロール不能
- 死を味わうような恐怖
- 不眠
この体験をした方にしかわかりませんが、とてつもない恐怖の日々でした。しかし、私には養わなければならない子供がいます。倒れてなんかいられません。どうにかしなくては…
この時は心療内科の知識がなく偏見があり通院することを拒みました(心療内科で診断・治療が遅れた結果、予期不安・広場恐怖症・回避行動が加わり社会生活に支障がでるようになりました。こうならないためにも早期に通院して治療を開始することえをお勧めします。)。
そんな私が行動したことは
- カウンセリングの予約
- 朝、朝日を浴びる
- 規則正しい生活(玄関掃除・洗濯・庭の水やりなどいつも通りの生活)
- 運動(ウォーキング)、ヨガ、瞑想
- 日記を書く
でした。
「なーんだこれだけ???」
違うのです。パニック障害・予期不安・広場恐怖症・回避行動の症状が出現している人には恐怖と向き合うため根気が必要な行動なのです。
前回もお話ししましたが、パニック障害は脳の機能障害です。人間は脳が機能して体が動いていま。。
健常な方は今の状態が当たり前だと思いますが、パニック障害・不安障害になると脳の機能の低下・植え付けられた恐怖心から行動をすることができなくなるのです。
症状が辛いうえに周りから理解されない苦しみ。どんなに頑張っても一喜一憂の日々で「生きてても意味がないのではないか」そんなことがよぎることがしばしばありました。
認知行動療法
パニック障害・不安障害は内服の治療とともに認知行動療法を行うことで早期に症状が回復します。体験した症状から「怖い」「またあんな恐怖を体験したらどうしよう」(予期不安)と脳が記憶してしまい行動が狭まれてしまいます。
認知行動療法ではこのような思考パターンを見直し「怖い」という思考以外にも多様な見方があることを見直していきます。
メリット
- 広場恐怖症にも効果的
- 薬を中止したあとに有効
- 副作用・依存性がなく、症状によっては薬に頼らない治療ができる
- 効果が長く続く
- 「やればできる」と言う達成感が得られる
デメリット
- 不安に直面することに耐える力が必要
- 急性期の強い不安には効果が乏しい
- 専門家・医療機関が少ない
- 費用や時間がかかる
参考文献:パニック障害 正しい知識とケア 監修 坪井康次
やはり一番苦しかったのは「不安に直面することに耐える力」でした。
この頃は、自分以外の全てが刺激となり外に出て通る人・車を見るだけで冒頭の症状が全て出てしまい「このまま自分がおかしくなってしまう、自分が自分でない感覚、家までたどりつけない…」と、こんな恐怖に直面しながら認知行動療法を行っていました。
私はパニック障害になった当初、専門家・医療機関の指導が必要なことは知らずに自ら認知行動療法を行っていました。
日々の症状、気持ちなどを日記に記入して、小さな目標から達成できるよう箇条書きに達成したい目標を書いて、達成したらレ点をつけて自信につなげていました。
毎日日記を書く
日記を書くことがパニック障害・不安障害に効果的かどうかは参考書には書いてありませんが、何事もインプット・アウトプットが大切だと思い実行しました。
日記にはパニック発作が起きた時の場面・その時の症状・その日に行った認知行動療法などを書き、翌日または以後どんなことにチャレンジしていくのか記入しては修正していきました。
私の最初の目標は「車の運転ができること」でした。都会では電車やバスですね。私の住む地域は運転は生活するうえで必須です。
まさかこんな当たり前のことができなくなるとは思ってもなく、「運転することを奪われて悔しい気持ち」と「このまま運転ができなくなるのではないか」と不安に思う気持ちが入り組んでいました。
「車に乗る事が恐怖」「また運転中に過呼吸が起きたらどうしよう」こんな予期不安から車を数メートル走らせただけで過呼吸が始まり、手足が痺れ、自信喪失の日々でした。
しかし、日記をつけることによって、「今日は500m運転ができる」から始まり、発作が起きないようにするためには、自分にあった音楽を鼻歌で歌いながら呼吸の調整をする、発作が起きたら休憩できるような道を運転する、「発作では死なない」と言い聞かせる、暖かいカモミールティを準備して運転するなど目標達成の決まり事を日記に記入して実行し徐々に運転の距離を伸ばすことができました。
初めは500mの運転が命がけでしたが、2~3週間で4km運転をすることができました。この日から7か月が経過した現在は、内服治療の効果もあり片道60kmの往復、トンネル、高速道路の運転がパニック障害の発作がなくできるようになっています。
日記をつけることによって調子の良い時間帯も把握でき、その時間帯に認知行動療法を行い自信につなげることができました。大切なことは小さな目標から出発することです。いきなり大きな目標を立ててしまうと失敗したときに自信を無くして行動が妨げられてしまいます。
決して他人と比べず無理をせず自分のペースで進めていくことをお勧めします。
運動の効果
パニック障害は脳の機能障害です。脳の機能向上のためには運動が大切です。
何がどのように効果的なの???
沢山の情報がありすぎてここではお話しできませんが、「運動脳 著者:アンデシュ・ハンセン」パニック発作時の脳の状態、運動がどのようにパニック障害に影響をもたらすのか、運動が脳にどれほどの影響があるのか沢山の情報が書かれています。
この本に「ストレスによる疾患の治療と予防には、運動が目覚ましい効果をもたらすことが、研究によって立証されている。」「パニック障害の患者に抗うつ薬を勧めたが気が進まないとのことでランニングの運動プログラムを勧めた。」と書かれていました。
私は運動とはご縁のない日常を送っていました。
なので走るだけで膝や心臓が痛くなる…(笑)
自分のペースで行えるウォーキングとヨガを開始しました!!
ウォーキングの効果
パニック発作を起こしながらウォーキングの開始です。
初めの1.2週間のウォーキング時は天候・工事の音・道通る車を見てはパニック発作が出現してさらに予期不安が助長される苦しい日々でした。
この時は、自信喪失の日々でしたが、「自力で治す」目標は揺るがず、連日パニック発作が出現しては「大丈夫、こんなんで死なない」と自分に言い聞かせ、呼吸を落ち着かせてウォーキングを続けることで1日6000~7000歩歩くことができました。
ウォーキングを行うことで達成感がうまれ自信につなげることができましたし、家にいるとウツウツしてしまっていたのがウォーキング後スッキリとした気持ちになっていました。
もっとも効果があったと思うことが、日常生活範囲内で「離人感」「死を感じる恐怖」「自己コントロール不能」の症状が全くなくなり、パニック発作の出現率も少なくなり、車の運転もパニック発作なく距離を少しづつ伸ばすことができて一石何鳥レベルで効果を実感することができました。
また、パニック発作が出現してから2週間程不眠が続いていましたが、太陽に当たりながらウォーキングを行うことで不眠が解消されていきました。
ヨガの効果
パニック障害の回復に運動が効果的とお話しさせて頂きましたが、「自力で治す」と言う気持ちは揺るがず、ウォーキングの他にも家でできる簡単な体操を探しヨガに至りました
この時の呼吸に関するパニック症状は
- 過呼吸・手足の痺れの出現
- 喉の圧迫感
- 胸痛
でした
パニック発作は
- 自律神経の乱れ
- 全身の筋緊張
- 今を見つめず、予期不安になってしまう
ことから症状が出現してしまいます。
今はYou tubeで様々なヨガを見つけることができます。私が参考にしたヨガはBーFlowのチャンネルです。このチャネルはハードなヨガから簡単なヨガがありますが、このなかで自律神経を整えるヨガ、呼吸筋を緩めるヨガがあり行動する前にヨガを行うことで少しづつ過呼吸時の胸痛がなくなり、過換気発作の出現も少なくなってきました。
現在は薬の治療のおかげでパニック発作が起きませんが、私は性格上つい予期不。安に陥ってしまう性格のため、今に集中することを身に着けるため、やれる範囲でヨガを続けています
ヨガを行うことで体がととのい、考えても仕方がないことが、ファっと消えていきます。
瞑想の効果
瞑想は自分の感情や意識に気づき、その感情うや意識に「良い・悪い」など評価をせずあるがままを受け入れます。
瞑想は「脳に構造的な変化が起こり、幸福感を感じるなどポジティブな効果があらわれている」「パニック障害やうつ病の症状改善に効果がある」とされています。
今回パニック障害・不安障害になった原因は沢山のストレスが重なったとお話しさせていただきましたが、一番の理由は母の癌の看病でした。母と同じ空間にいるだけで動悸・血圧上昇・過呼吸が安易に出現していたのです。しかし、看病をしない選択肢はありませんでした。
こんな状態になりながらも看病をしなくてはならず、「優しくなれる瞑想~他人の幸せを願う瞑想~」に出会い毎日続けることで、母に対する偏った思考を変えることができ徐々に症状改善していくことができました。
柔軟な考えを身に着けることで思考の癖を治し、パニック障害の症状改善につなげることができました。
規則正しい生活の効果
パニック障害は「心筋梗塞になった時と同様に死を覚悟する感覚を経験します」と言われています。
なのでパニック発作を起こした人はその経験から恐怖が植え付けられてしまい、脳の機能低下も併発して日常生活を送ることが困難となります。夜は寝られない、日中はボーっとする、ましてや行動のたびに発作が起きて日常生活を送ることすら苦しい状況で健常人と同様に規則正しい生活を行うことはかなり辛いことなのです。
しかし、小さな目標から規則正しい日常生活を送ることができれば、少しづつ成長することができます。今回のお話しで、パニック障害には運動・ヨガ・瞑想が効果的とお話しさせていただきました。
でも、運動にヨガに瞑想なんてできないよと嘆いてしまいますよね。実は、日常生活の掃除・洗濯・食事作りなどの家事は運動・瞑想が含まれているのです。家事を行うと心拍数があがり運動をにたような効果があります。そして、無心になって何かを行えることが瞑想に繋がるそうです
- 朝の花の水やり
- 庭の草むしり
- 風呂・トイレ・洗面台の掃除
- 洗濯
- 掃除機がけ
- 車の掃除
実はこれらは、私がパニック発作出現時から連日行ってきた家事の内容です。どれも無心になって行うことでこの家事を行っていた時はパニック発作は出現せず、一番は朝の花の水やりと庭の草むしりが無心になり行えて、しかも、気持ちがスーッとした感覚になっていました。
もちろん、パニック障害の初期時はこれらを行うのがやっとの状況でしたし、夕方の時間になると頭がキューッとしてパニック発作が出現しそうな感覚の中、夕飯作りの時間帯がとても辛かったのでした。後に主治医にこのことを話したら、主婦は夕方が憂鬱な時間でパニック障害時にはこのような症状が出やすく、その時には不安時の内服をして下さいと説明を受けました。
まとめ
私はパニック障害になって「自力で治す」と言う訳の分からない根性で、パニック発作が出現しなだらも運動・ヨガ・瞑想をメインに認知行動療法を行ってきました。
なぜこのことが認知行動療法だと気づいたかと言いますと、カウンセリングに初めて通った時にカウンセラーさんから「corocoroさんの行っていることは認知行動療法・暴露療法といいいます。こんな時期にこのようなことができるのはかなりの行動力がないとできません。」と言われたからです。
今になって言えることは、早めの心療内科を受診して治療を行うこと、内服治療を行いながらカウンセラーさんから認知行動療法の指導を受けることが、自分を苦しめない良い方法だと思いました。
暗い闇を抜け出すには自分のペースで少しづつ前に進んでいくしかありません。時間がかかりとても辛いですよね。
一喜一憂の日々で苦しいと思いますが今の自分を見つめて生活をしていきましょう。
💗ここまで読んでいただきありがとうございました。少しでも苦しみから逃れられますように。いつでも質問・相談受け付けます💗
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